公益社団法人広島県社会福祉士会の公式ホームページです。

>
>
暮らしのやり直しを支援する

暮らしのやり直しを支援する 

広島県社会福祉士会が地域生活定着促進事業を広島県から受託してこの6月でちょうど5年が過ぎました。

県内の矯正施設には犯罪傾向の進んだ人を受け入れ、中国5県の医療センターも兼ねる広島刑務所(定員1476人)と、主として60歳以上の人を受け入れバリアフリーの床や手すりも設置されている尾道刑務支所(定員365人)があり、定着支援センターへの特別調整の依頼もこの5年間で190人を超えました。この人数は全国でも5指に入ります。刑務所へ入ったのは初めての人が約30%、70%の人は2回以上の入所を経験しています。中には20回以上の入所歴がある人も3人います。県外へ帰った人が41人、相談の途中で特別調整を取りやめた人が20人。広島に住み始めてまた事件を起こし矯正施設への入所となった人も20人いますから、残りの110人が県内で暮らしておられます。

福祉サービスとつなぐことができたのは生活保護70人、障害者福祉手帳などの取得が36人です。特別調整になる前から障害者手帳などを持っていた人は22人いました。

特別調整後のフォローアップも含めてセンターの支援終了時点での居住先を見ると、民間アパートが48人、その他は高齢者施設、サービス付き高齢者住宅、障害者グループホーム、救護施設などです。救護施設の積極的な働きかけで施設からアパートでの一人暮らしを始めすでに2年を経過した人もおられます。

周りの支援者側からみると「一人暮らしは難しいのではないか」と思えても、本人がアパートでの一人暮らしを希望すればできるだけその方向で支援をしていくようにと考えています。また、長年途絶えていた親族との交流が、本人の生活が落ち着いてくる中、関係回復ができつつある人も数人おられ、私たちが仕事を続けていく上での大きな喜びです。

ひとりひとりの暮らしを聞いていると、成長期からすでに疎外・排除され、孤立した生活の中で犯罪へとつながらざるを得なかったのではないかと思えるような人がほとんどです。

町の中での小さな支えをたくさん作る中で、彼らの暮らしのやり直しを手伝っていけたらいいなと考えています。                       

(会員便り第58号から)